お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
「莉子のご両親、熱いハートの持ち主だね。娘の幸せを願う気持ちが強いんだよ」
「素敵だね」と持ち前のポジティブさで締めくくられて、私は苦笑いするしかない。
純粋に娘の幸せを願っての見合いなら、私も逃げるまでしなかったと思うけど、うちの両親には邪な考えがあるからね。
御曹司との結婚で、茶問屋に資金援助をという、腹黒い狙いが……。
なにを言っても茜からは少々的を外した前向きな感想しか返ってこないのはわかっているし、私としても悩みを共感してもらいたいわけではないので、見合いの話題は終わりにした。
着替えをして、茜と一緒に更衣室を出る。
「焼き芋キャンディの販促用の資料、今週中にまとめておいてと係長に言われて……」と仕事の話をしながら、四階にある営業部に向かっていた。
階段で二階分を上がり、廊下を少し進んで開けっ放しのドアの内側へ入れば、時刻は八時五十分。
営業部の総員は百八十名ほどで、営業エリアで十に班分けされていた。
広いフロアには机を繋げた島が、それと同数浮かんでいる。
「素敵だね」と持ち前のポジティブさで締めくくられて、私は苦笑いするしかない。
純粋に娘の幸せを願っての見合いなら、私も逃げるまでしなかったと思うけど、うちの両親には邪な考えがあるからね。
御曹司との結婚で、茶問屋に資金援助をという、腹黒い狙いが……。
なにを言っても茜からは少々的を外した前向きな感想しか返ってこないのはわかっているし、私としても悩みを共感してもらいたいわけではないので、見合いの話題は終わりにした。
着替えをして、茜と一緒に更衣室を出る。
「焼き芋キャンディの販促用の資料、今週中にまとめておいてと係長に言われて……」と仕事の話をしながら、四階にある営業部に向かっていた。
階段で二階分を上がり、廊下を少し進んで開けっ放しのドアの内側へ入れば、時刻は八時五十分。
営業部の総員は百八十名ほどで、営業エリアで十に班分けされていた。
広いフロアには机を繋げた島が、それと同数浮かんでいる。