お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
この勝負、引き分けです

◇◇◇

十月も半分を消化してしまった。

もっとゆっくり過ぎてくれたらいいのにと願っても、時計の針は休んでくれず、今日も午前中の仕事が終わって昼休みになる。


茜も今からお昼に入れるということなので、ふたりで会社近くのパスタ屋に行く。

様々な制服を着たOLだらけの店内で、私たちは壁際のふたり席に向かい合い、六百五十円のお得なランチメニューを注文した。


間もなく運ばれてきた小海老の和風スパゲッティを食べながらの会話は、私と彰人の同居期限が迫っていることについてである。

「あと三日しかないんだよ。早く言っちゃいなよ」と茜が心配そうに言う。


今日は水曜日で、三日後の十月二十日土曜が、二カ月間の同居生活の最終日である。

茜がなにをせっついているのかと言うと、彰人に私から告白して、もう少し一緒に暮らしたいとお願いすればいいと言うのだ。


恋心があることを今はもう自覚しているし、茜に対して隠そうとも思っていない。

実は自分でも、この気持ちを彰人に伝えてみようと思ったことが、大和撫子対決後からこれまでに数回あった。

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