お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
「好きなことに対しては熱いじゃない。莉子ほどたまチョコを愛している人はいないと思う。たまチョコ愛は鬱陶しいほどに語れるんだから、専務にも好きだって言ってごらんよ」


私が熱くたまチョコについて語るのを、茜はいつもニコニコと笑顔で聞いてくれていたのに、本当は鬱陶しいと思っていたのか……。

そのことにショックを受けつつ、たまチョコと彰人を一緒にしないでほしいと不満を覚えていた。

たまチョコは私の愛情を嫌がらずに黙って受け止めてくれるけど、彰人は感情も反応もある人間だからね……。


茜が一生懸命に説得してくれても、私は積極的な気持ちになれない。

何度も告白しようとして、それができずに終わり、もう勇気を使い果たしてしまったような心境である。

告白したところで、振られるだろうし……と結果を恐れる気持ちも、その理由であった。


なおも私の気持ちを前向きにさせようと頑張る茜は、「告白されたら、専務は嬉しいと思うよ」と優しく励ましてくれる。

その言葉に私は頷いたが、彼女とは違う意味で、私の告白を彰人は喜ぶだろうと考えていた。

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