お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
「すみません。このまま私を隠して外まで出てください。変な女だとお思いでしょうけど、不審者ではありません。脱出したら、事情はお話します」
彼の怪しむような目付きは変わらないが、無言で言う通りにしてくれる。
私を隠したままロビーの正面玄関から外に出て、ロータリーを歩いて敷地外へ。
ホテルの御影石の塀と、隣に立つ商業ビルの間の狭い路地にふたりで入り、向かい合って足を止めた。
「やった、脱出成功! これもあなたのおかげです。ありがとうございました」
蒸し暑い屋外でも、私の心はすっきりと爽やかだ。
達成感に片手を握りしめ、不愉快そうな顔の彼に笑顔を向ければ、低い声で「それで?」と淡白な返事をされた。
事情説明すると言ったことを思い出し、見合いが苦痛で逃げ出したのだと、苦笑いして打ち明ける。
「金持ちなだけの、つまらないお坊っちゃまは嫌なんです」
私の正直な暴露に、彼はなぜか眉間の皺を深くした。
身長百五十八センチである私の、二十五センチほど上から、睨むような視線を向けてくる。
彼の怪しむような目付きは変わらないが、無言で言う通りにしてくれる。
私を隠したままロビーの正面玄関から外に出て、ロータリーを歩いて敷地外へ。
ホテルの御影石の塀と、隣に立つ商業ビルの間の狭い路地にふたりで入り、向かい合って足を止めた。
「やった、脱出成功! これもあなたのおかげです。ありがとうございました」
蒸し暑い屋外でも、私の心はすっきりと爽やかだ。
達成感に片手を握りしめ、不愉快そうな顔の彼に笑顔を向ければ、低い声で「それで?」と淡白な返事をされた。
事情説明すると言ったことを思い出し、見合いが苦痛で逃げ出したのだと、苦笑いして打ち明ける。
「金持ちなだけの、つまらないお坊っちゃまは嫌なんです」
私の正直な暴露に、彼はなぜか眉間の皺を深くした。
身長百五十八センチである私の、二十五センチほど上から、睨むような視線を向けてくる。