お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
軽く握った私の右手を胸から離し、「なにを持ってる?」と問いかける。
「ピンクシーファンタジア……」
手を開いてフィギュアを見せたら、彼は私がこの部屋のドアを開けた理由を察したようで、「シークレットが出たのか」と呟いた。
その声には呆れが滲んでいる。
からかう気は失せたようで、ワイシャツのボタンを素早く閉めると、クローゼットの横の姿見の前に移動して、ネクタイを結び始めた。
それを見て、すっかり焦りの引いた私が、「仕事?」とドア前から問いかければ、鏡越しに視線が合う。
「ああ。言ってなかったか。これからTKJ社の三十周年レセプションパーティーがあるんだ」
私に対しては告げられていないけど、その予定は知っている。
三日前、専務室の机の下に隠れた時に、西尾さんがレセプションの招待客がどうのと、言っていた覚えがあった。
今日のことだったかと納得していたら、ネクタイを結び終えた彼がネイビースーツのジャケットを羽織って私の方に振り向いた。
「ピンクシーファンタジア……」
手を開いてフィギュアを見せたら、彼は私がこの部屋のドアを開けた理由を察したようで、「シークレットが出たのか」と呟いた。
その声には呆れが滲んでいる。
からかう気は失せたようで、ワイシャツのボタンを素早く閉めると、クローゼットの横の姿見の前に移動して、ネクタイを結び始めた。
それを見て、すっかり焦りの引いた私が、「仕事?」とドア前から問いかければ、鏡越しに視線が合う。
「ああ。言ってなかったか。これからTKJ社の三十周年レセプションパーティーがあるんだ」
私に対しては告げられていないけど、その予定は知っている。
三日前、専務室の机の下に隠れた時に、西尾さんがレセプションの招待客がどうのと、言っていた覚えがあった。
今日のことだったかと納得していたら、ネクタイを結び終えた彼がネイビースーツのジャケットを羽織って私の方に振り向いた。