無敵の剣
新選組が警護を任された場所から
すぐ近くの門に敵が向かっているという
知らせと逃げる者の追撃を新選組に任せる
という知らせが同時だった

上役達が新選組を頼りにするのは
新選組の幹部が各々自由に動けるからだ

しかし、人手不足
今、怪我人を出したくない



「門は、私が行く」


「俺も!」



私に続き名乗り出たのは、藤堂さん



土方さんが腕組みして、私達を見下ろした



「勝算は?」



私は、ニヤリと笑った



「私ひとりでも、門を守る自信はある
藤堂さんが加勢してくれるなら
負ける気なんてしない」


「……おぅ」



余裕綽々に笑う私と違い
藤堂さんは、不思議そうに私を見つめ
小さく相槌を打つ




フンッ と、ふて腐れ気味に鼻をならし




「2人に任せる
だが……」


「怪我は、するな」



土方さんの言葉を遮る

土方さんと私が睨み合う




「わかってんなら、いい」





土方さんが、私達から背を向ける


私も門へ向かう






「なぁ斎藤?」


藤堂さんがクリクリの目で私を覗く

出会った頃にも思ったが
ネコに似てる



「なんだ?」



「死ぬ気なの?」


「は?」



思わず足を止める



藤堂さんの目は、真剣だった



「土方さんの為に死ぬ気でいるの?」


「ぷっ ふふふっ」













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