無敵の剣
私は、会津公と壱の前で着替えた


屈辱だ



弟とはいえ


上司の会津公といえ




裸を見られるなんて…





唯一の持ち物と言っていい

刀を壱に渡した



「安心しろ!誰も気づかないよ!」









壱が近藤さんと永倉さんの待つ部屋へ





私は、呆然と立ち尽くす



そばに会津公が来て


「ご苦労だったな」 と、労いの言葉


肩に手を置こうとしてきた





「触らないで下さい」





すべてを失う日が来ると

あんなに覚悟していたのに



すべてが奪われることは
想定外で…

悔しいのか、悲しいのか


心がごちゃごちゃしている









部屋から、門を見れば


壱が近藤さんと永倉さんと3人で帰る姿






気づいてない…















実家を出た時の感情と明らかに異なる


もう、皆に会えない



という、辛さ















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