無敵の剣
会津公に用意された部屋で
何日も座ったまま、呆けている
食欲もない
「何か望みがあるなら申せ」
体調を心配した会津公の言葉に甘え
「家茂様のところにいる
塚本善之助を呼んで下さい
その者とここを出ます」
数日後
迎えに来たゼンさんは、女物の着物を着た
私に目を見開く
「どうした!? 何があった!?」
頑なに、男として生きてきた
そんな私を知るからこそ
「帰るぞ!」
何も言わない私を包み
立ち上がらせた
顔を出さないようにと渡された
笠をゼンさんは、乱暴に受け取り
私にかぶせてくれた
黒谷を出ると追っ手がいないか
警戒しながら、雪の家へ
雪もネコもいない家
「一」
ゼンさんが私を後ろから抱きしめた
「着物、似合ってる」
耳元で囁かれた、優しい慰めに
泣きそうな気持ちになる
「本当? …似合ってる?」
ゼンさんの方を向き、微笑む
「あぁ、めっちゃ似合ってる!」
何日も座ったまま、呆けている
食欲もない
「何か望みがあるなら申せ」
体調を心配した会津公の言葉に甘え
「家茂様のところにいる
塚本善之助を呼んで下さい
その者とここを出ます」
数日後
迎えに来たゼンさんは、女物の着物を着た
私に目を見開く
「どうした!? 何があった!?」
頑なに、男として生きてきた
そんな私を知るからこそ
「帰るぞ!」
何も言わない私を包み
立ち上がらせた
顔を出さないようにと渡された
笠をゼンさんは、乱暴に受け取り
私にかぶせてくれた
黒谷を出ると追っ手がいないか
警戒しながら、雪の家へ
雪もネコもいない家
「一」
ゼンさんが私を後ろから抱きしめた
「着物、似合ってる」
耳元で囁かれた、優しい慰めに
泣きそうな気持ちになる
「本当? …似合ってる?」
ゼンさんの方を向き、微笑む
「あぁ、めっちゃ似合ってる!」