無敵の剣
雪の頼みの中に


〝女として、生きることになったら
雪と名乗ってほしい〟



というのがあった






「ゼンさん、私も双子なんだ
一は、弟の名で
私は、壱っていうんだ
新選組に女の私がこれ以上いたら
迷惑だろうから
一と変わって貰ったんだ」


今、私が出来ることは…

嘘をつく事くらいだ






信じたかどうかは、わからないけど
ゼンさんは、何も言わずに私を抱きしめる







「ゼンさん… 
新選組で一がちゃんとやってるか
見てきてよ」









その夜



雪の着ていた寝間着に着替える為に
着物を脱ぐ


帯から、ポトリ


薬包と文


私は、壱からの文を読み

愕然と薬包を眺めた










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