無敵の剣
家から持ち出せた雪の着物を着せられる





「素敵 お姫様みたい」


「彼女の着物なんだ」


「斎藤さん?
どうしていつも〝彼女〟なの?」


「着物でわかるだろ?」


「……お、姫…様?」


「内緒な」


「はい!!!」




どこの? とは、聞かれないが
私と2人だけの秘密だって喜んでいた




深雪に髪を結われ、化粧をされる




「まだ?」


「さっきからそればかり!
もう少しですよ!」


そっちこそ、もう少しって
どれだけジッとしてればいいんだ!



「もうそれくらいでいい」


「もう少し!」




顔に落書きをされている気分だ





「出来た!!!」



「どう?」



ネコに問う




「にゃあーん」



良いらしい




「なんか頭が重い」




結い上げているだけなのに
いつもと違う





「顔も窮屈」




「クスクスッ 斎藤さん!可愛い!!!」





ベタベタとひっつき回る


女とわかり、気兼ねが無くなったらしい









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