無敵の剣
「俺… 本気だから
勘違いじゃないから…幸に惚れた」



廻りに聞こえないように話してくる


「/////藤堂さん…」




真っ直ぐな言葉に、驚く

藤堂さんは、私の手を握る

その手は、少し震えていた



怖いんだ




伊東さんに従い

私を使おうとしている

試衛館の人を裏切ろうとしている

本当は、嫌でたまらないのだろう




「私には、想う方がいます
お気持ち嬉しいですが、すみません
お応えする事は…出来ません」



藤堂さんが私の耳に唇をつけ


「それって、土方さんでしょ?」

「////////////」



バッと耳を抑え
顔が熱くなるのを見られないように俯く



「わかりやすいね クスクスッ
土方さんがさ 凄く睨んでくるんだけど
もう、恋仲なの?」


「そういうの無理、わかるでしょ」


「わからないよ
自分の気持ちすら、わからなくて
困ってるんだから」




こちらが本音だろう





「やりたいことをして欲しい
嫌々させられる事に、なんの志があるの?
藤堂さんが辛いのは、やりたいことじゃないからでしょ? 伊東さん…何者なの?
どうして、従ってるの?」



「……今は、まだ言えない
幸の安全がわかるまではね」







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