無敵の剣
「ねえ?あなた目が見えていたなら
舞踊くらい習っていたんじゃない?」


伊東さんが、私を試している


「彼女は、盲目なんだぞ!」



壱が私を庇い、割り込む



そういえば
壱は、知らないんだ



「大丈夫よ! 一!」



見たことのある踊りは、完璧に踊れる


深雪と2人で踊りを披露する



1番驚いたのは、壱だろう




この部屋にいる者が、一斉に拍手
1つになった瞬間だった





「お上手なんですね!幸さん!」


「私は、見えないから
深雪が合わせてくれたんですよ」


「ううん!幸!凄く上手だった!」


「ありがとう」






コソッと



「すげぇ!さすがっ!」


壱が耳打ちしてくる




私は、ニコリと笑う





「驚いた?」


「あぁ 焦ったぁ~」


「ふふっ」









天才と呼ばれたんだぞって
自慢したいほどだけど

私としては、剣術で誉められたかった









和んだのは、この時だけ





再び




「幸さんは、藤堂君と気が合うみたいだから
護衛は、藤堂君がいいんじゃない?」


「護衛は、永倉と決まってんだよ!!」



小競り合いが始まる



「幸さんが狙われる理由って何?
護衛に失敗して怪我でも負わせたら
咎めがあるのでは?」


「だから、経験ある永倉に任せる!」


「永倉君より、藤堂君の方が幸さんに
信頼されてると思うなぁ
護衛対象との信頼は、大切だよ」




これは、平行線たどるな





「土方さんも 伊東さんも
同じ新選組ですよね?
護衛失敗した時は、咎めも同じでしょう?
永倉さんと藤堂さんのどちらかではなく
お二人に護衛していただけると
私は、凄く安心です!
それとも、私に2人も人をつけるのは
勿体ないですか?」



2人が、黙る



「私が何故、さらわれたのか
皆さんには、検討がつかないでしょう?
私は、見に覚えがあります
私に、もしもの事があれば…
新選組を潰すくらいのことはして貰います」




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