無敵の剣
伊東さんが人を集めている


「今夜、いいかな?」


「はい」



私は、土方さんにこの事を伝える人
そして、今夜
伊東さんのところに来ても
違和感のない人と考え





自宅に戻る前の原田さんと話をしている


永倉さんに



「永倉さん 今夜、付き合ってくれる?」


「……は?」


「おいおい! お前、新八狙いかよ!?」



なんて、説明するのが面倒な奴らだ…

黙ってこいよ!


という目で、睨む



「そうか、俺の魅力にやっと気づいたか
良いだろう!」



良くない! が、仕方ない


密偵役として来いなんて言ったら
すぐにボロを出しそうだ…


特に原田さんは、密偵に行くってよ!
って、誰かに言いそうだ



がっつりと肩を組まれる


寒さが苦手な私は、暖かさに
永倉さんを押し退けることを辞める




屯所を出て、店に入る



「おや?斎藤君は、藤堂君を誘うかと」


「藤堂さんなら、来てるかと
永倉さんは、あちらの中でも
どちらかといえば、考えが私に近い
伊東さんと話す機会があれば良いなと思い
誘いました」


チラリと永倉さんに微笑む


「前々から、伊東さんとゆっくり話したかったんだ! 土方さんの手前
遠慮していたんだ! よろしく頼む!」


誰に対しても物怖じしない
そして、勘がいい


私の意図も理解しただろう



あえて、土方さんとは合わないふうに
永倉さんが言ったから


実際、土方さんと永倉さんが2人で話をしたり、行動をともにすることはない



でも、試衛館の皆は知っている




2人が恐ろしく仲が良いことを

兎に角、目で会話が出来る



2人とも、頭が良い



上手く役割分担して、隊士らをまとめている
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