無敵の剣
屈辱の日
新選組から御陵衛士に移りたいと言う者が現れて、その対処を伊東さんから
相談された


試されているのだろう



「隊士同士の許可無き関わりを禁じればいい
私達は、守るものが違う
志も違うのだから、混同されては
こちらが迷惑だ」



はっきりとした口調で言うと

伊東さんは、満足げに笑った



「そうだね」



そして、私の意見通りにした




町では、山崎さんが私と接点を持とうと
合図をしていたが
今は、無理だと合図を返すことが続く


「斎藤君 温泉に付き合ってくれないかな」


「温泉なら、俺が!」


平助が名乗りを上げる


「いえ、私がお伴します」








温泉に行く前日

平助から、必死に止められる


「わかってない!!一は、危機感がない!
2人きりだぞ!?何されるか想像つくだろ襲われるかもしれないんだぞ!!!」



「平助 心配しすぎ」



「するだろ!!!温泉だぞ!!!」



「伊東さんは、私が女だとわかっている
その上で、私と2人きりで話をしたいと
いうことだ
近頃、鈴木が私を見張っていて鬱陶しい
伊東さんが、男だったと言えば
鈴木が納得するだろう
私にとっても有難いことだ」


「伊東さんは、疑っているだけで
女だと確信してないはずだ
わざわざ自分から、危険に身を置かくても」



「危険に身を置くのは、伊東さんも同じ
護衛がなければ、私は伊東さんに勝てる
お互い利害が一致している」


「一…」


「平助 大丈夫!!
私は、中身女じゃないんで!」


「俺にとっては、惚れた女の子だよ
一が、伊東さんに身体をさらすなんて…」



凄く小さな声で、俺だって見てないのに
と言った


見ただろーーー!!!


と、言いたいところだが
あれは、治療なんだし

平助は、顔を背けていたかも


でも! でも! でも!!!



「平助、胸…触ったじゃないか」


「あれは、胸って言わない!!
襟元だった!!
こんなことなら、触っておけば良かった!」


「はぁ!馬鹿!触らせない!!」





なんでこんな言い合いしてるんだろう





私の口下手も平助にかかると
饒舌な掛け合いが出来るとわかった









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