無敵の剣
上手く言葉にすることが出来ない


気持ちを

ただ思っていることさえ


口にすることが難しい




そんな私にとって、ここの人々と
雪との暮らしは、心地よいもの









毎月、雪への給付金を持ってくる
松本良順という医者に、頭を下げた





「その金で、良い薬を頼む
雪を治して欲しい」


「うふふっ これは、私達の生活費よ!」


「生活費くらい、私が働けばいい」



「一、私の病は治らないの
だから、ひとりにしないで
一が働きに出たら、さみしいの
私を守って… ね? お願いよ」



「力不足ですみません
一さん、雪さんをよろしくお願いします」



雪の願い通り、私は雪のそばにいた

雪は、私にたくさんの事を教え
たくさんのお願いをした














日中は、日向にいれば暖かく

夜は、まだまだ肌寒い



桜の花が満開になった頃













雪が、逝ってしまった



















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