無敵の剣
「にゃあーん」




主を亡くして、さみしいのだろう

私によく甘える






いや、私がさみしがっているから
慰めてくれているのか





目を閉じ


静かに雪との暮らしを思い出す





ん?






近所の人々の活気がない…




そうか!!!





私は、雪から貰った給付金の残り

残りといっても、一生暮らせるほどある
この金を少し懐に入れた




町で、必要なものを買った





「よし!!」



腕まくりをして、料理をする





「ええにおいや~」


「ゼンさん、皆を呼んでくれ!」



ゼンさんは、隣のお婆さんの息子
出稼ぎに出ていて、正月と盆に帰ってくる


初めてあったのは、正月

3ヶ月ほどしかたっていないのに
帰ってきたのは、お婆さんから、雪の訃報があったからだろう




雪が仲良くしていた人々と
雪の好物を食べ
雪の話をたくさんした



「一はん、おおきに!」




皆に笑顔が戻った








私は、私なりのやり方で
気持ちを伝えるしかない




言葉は… 難しい…





だから、皆に雪を忘れないで!
悲しまないで!雪は、皆が大好きだった
皆に、笑顔でいて欲しい!



そんな気持ちを料理にした




ここの人々は、色んなことに敏感だから


私のこの気持ちが伝わった









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