無敵の剣
伊東さんが許可をくれて


平助と君菊のところへ







君菊の泣き叫ぶ声が外にも聞こえた

平助と顔を見合わせた


刀を何時でも抜けるようにして
庭へ回り込む




どうやら、具合が悪いと言っていた娘が
亡くなったらしい



君菊が、私達に気づき



「なんや!!今更!!
帰って!!帰ってぇーー!!」



そこら辺の物を手にして
こちらに投げてくる



会いに来た土方さんが、騒ぎを聞き庭へ



「おめえら…    帰れ…」



平助が土方さんに何か言いたそうに睨み
踏み出したが、何も言わせないように
袖を引っ張り、ずんずんと町を歩く







「一!!!」


平助は、怒っていた


なぜ、1発殴らせてくれなかったのか
せめて、文句の1つ言わせてくれよ


という、目だ



「子を亡くしたんだ
家族だけにするべきだろう」




私は、平助の方をまっすぐに見た





そして、袖から手を放し

ずんずん歩く





兎に角、落ち着こう








そう思い、河原に来れば、先客







「沖田さん」



「わぁ! 斎藤君!藤堂君!」








私達の姿に喜ぶ様は、以前と変わらないが
間近でジロジロ見ると








痩せた…




















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