無敵の剣
「俺は… 女の子を… 

初めて斬ったのが、あの娘で…

俺… この手で…」




魁先生と呼ばれる平助は、正義感が強く
間違っても女を斬るような性格ではない





「この手は、多くの人を守った手だ
私もこの手に助けられた
平助は、悪くない 絶対に悪くない
私がちゃんとわかっている」




「もう……何も思い出したくないよ…
一!一! 怖いんだ!
俺は、とんでもなく酷い奴で…
今の俺は嘘で、本当は…
ただの殺人鬼かもしれないんだ」





私は、平助を抱きしめた




「平助は、平助だ
変わらない 大丈夫 
殺人鬼なはずがない」





平助は、幸姫を逃がしてくれたんだから













平助は、私にしがみつくように泣いた



折れそうなくらい強い力で


苦しくて、痛くて







それが、平助の抱えるものなら


私もそれを感じてあげたかった







「平助…私がそばにいる
ちゃんと平助のそばにいる」













ひとりじゃない



私が一緒に背負うから…












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