無敵の剣
市村君は、新選組の門を潜ると


「斎藤さんのお戻りです!」


大声を出した




以前、私が率いていた3番隊の皆が
ザザッと出迎えてくれた



「「「「「「 おかえりなさいませ 」」」」」」




近藤さんのお出迎えもこんなに派手じゃない、私なんかに皆が頭を下げるなんて



皆が頭を上げ私が、代わりに頭を下げた


戸惑う声を無視して




「斎藤一、ただいま戻りました
皆には、また力を貸して貰います
新選組の為に、一所懸命頑張ります
よろしくお願いします」




頭を上げると



皆の顔を見廻した


私は、この仲間を守る


決意を胸に微笑んだ





バシンッ




「う゛」




「堅苦しいんだよ!斎藤が生真面目だから
こいつらも、堅苦しい真面目になったんだ」



背中を思い切り叩いてきた、永倉さんを
睨む



「玄関占領してんじゃねぇ!早く入れ!
おら!市村!部屋教えてやれよ!」





市村君について行く


「クスクスッ」


市村君が振り返り、私を怪訝な眼差しで見る


「ふふっ 気にしないでくれ」


「ひとりで笑い出したんですから
気になるでしょう …キモチワルイ」



市村君は、自分の声の大きさを自覚していない

キモチワルイが私にしっかり聞こえている



「思い出していたんだ
初めて会った時の事
皆、変わらないなぁって」


「俺は、変わりましたよ!
背も伸びたし、剣の腕も上がって
怒られることもなくなりましたから!」


「それは、凄い成長だな
なら、1本手合わせ願おう」


「え!? 斎藤さんが相手してくれるの?」


「ああ」


「部屋ここです!
俺、副長の許可とってきます!!!」



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