無敵の剣
お開きになり、それぞれが部屋に戻る


私は、土方さんから、勝手に追尾したことを説教されるために居残り






「おめえは…」


「説教は、今度にして下さい
土方さん、ゼンさんが預けた箱
持ってますか?」


「は? おめえが、伊東さんに預けてくれって頼んだんだろ?」


「……頼んでない」


「え……」


「中、見ました?」


「いや」


「あれは、戦の種だと聞いてます」


「戦の種」


「御陵衛士の残党は、薩摩藩に匿われている
恐らくは、箱もそちらにあるかと」


「おめえは… 中身を知ってんのか?」


「いえ… でも、なんとなくは…」





私は、土方さんを真っ直ぐに見た







「新選組は、戦をすることになります
近いうちに、必ず
指揮は、土方さんがとるでしょう
私は、あの箱の中身が
錦の御旗ではないかと考えています」






同盟を結んだ薩長が、官軍となる力を手にしたのだ

すでに政権を放棄すると宣言した
徳川幕府を完全に叩きに来る


幕府に仕える新選組は、逆賊になる







「全ては、伊東さんの計画でしょう」









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