無敵の剣
どれほど寝ていたのだろう…

船から店に場所が変わり、未だに宴が
続いていた


「おっ?斎藤、具合はどうだ?」



バカ騒ぎしながらも、私が起きたことに
いち早く気づいて、顔を覗き込んできた



「大丈夫そうです
面目ない…ご面倒をお掛けしました」



起き上がり、礼を言うと


バシッ



「カタッ苦しい奴だなぁ!!!
はっはっはっ!!!」



痛い…

永倉さんが、軽く叩いたであろう背中

その後もバシバシッと続く


ようやく手が止まり


はぁ~ と、息を吐く



「そうやって、楽にしてろ
あんまり、気を張るな」



ニカッと笑い酒を呑む




気さくな人だなぁ


年上だからか?






店の人が水を持ってきてくれた


沖田さんが永倉さんと入れ替わりに来て


「すみません… 私が無理に舟に乗せて
窮屈な思いをさせたから…」


受け取った湯呑みの、水を呑む


「乗ったのは、私だ
沖田さんが謝ることはない
私は、舟に弱いらしい…」


「斎藤君… やはり、君は思っていた通りの
人物のようだね
実は… 」




沖田さんが言い掛けて、窓に視線を移した



外が騒がしく、耳を澄ますと
なにやら喧嘩をしている様子だった







< 27 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop