無敵の剣

懐妊中の　佐代子さんの世話と
沖田さんの世話と


すっかり、妻らしくなった頃




久しぶりに男装し、壱に会う




近況を報告すれば、壱は喜んでくれた




女としての本当の生き方を
自分が奪ったような気でいたらしい




｢私は、壱みたいに
なんでも出来る男になりたかったんだ
壱に追いつきたくて、必死なんだぞ？｣


｢俺は…　一みたいに肝の座った
強い男になりたかったんだ
今、真似事をしている｣



私達は、吹き出して笑った




そして、壱に教えて貰った
新選組の近況




沖田さんと私が行方知れずになったことで
少し、ゴタゴタがあったが
壱がどうにか隊士らに私が戻ったと
思い込ませてくれた
沖田さんは、療養生活ということに
でも、絹の言いなりな近藤さんと土方さんが永倉さんと原田さんと対立し
出て行ってしまったとか

壱と市村君の２人で
絹の本性を暴いてくれたとか



｢土方さん…
人が変わったみてぇに荒れてる｣


｢そう…　力になってやってくれ｣


｢ああ、わかってる
一って、昔からお人好しっつーか
世話焼きっつーか
人の為に何かするの好きだよな？｣


｢壱だって｣


｢え？俺？｣


｢私の為に、会津公から離れてくれてる｣