無敵の剣
「宗次郎さん!!!」


ただいまも言わず、ダンダンと足音をたてる



娘姿なら、いただけないが
今は、男装



「どうしたの!?壱君と喧嘩でもしたの?」


私は、花のなくなった梅を眺めている
沖田さんをこちらに向かせた



「私!!!怒っています!!!」


「……そのようだね」


「沖田さんに対して、怒っている!!」


「え…私、何かしました???」



キョトンと頭を傾ける


「凄く!凄く!怒っているんです!!!」


「教えてくれる?」


「いやです!」


「ええ!!教えてよ!?」



ムッと口を閉じ
沖田さんを睨む



「私は、沖田さんの妻です」

「宗次郎の妻だよ」


ポロポロと涙がこぼれ落ちる


「え!わ!なんで!?泣かないでよ!!」


「私は、沖田さんの妻になったのに……」




病を治そうと思っていない

私というより、雪を妻にしたと言いたいらしい

そんな沖田さんに腹が立つし


凄くさみしくなった




「沖田さんは!!!私を置いて逝く気!?
私は!!私達は、夫婦でしょ!?」



沖田さんは、驚きと申し訳ない気持ちを
顔に出した


図星だったらしい




「私… もう、治らないと思うんですよね
生きている間、幸せな夢見心地でいられたら、いいなぁって思ってて
雪は、私…宗次郎の妻!
だけど、私が死んだ後は、土方さんのところに戻って欲しいから」



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