無敵の剣
沖田さんの言うように、疲れていた


臨月だろう、佐代子の具合があまり良くなく、難産が予想された



その通り、佐代子の御産は日を股いでも
夜が明けても続いた



一度家に戻り、沖田さんから


「大変だね 雪!必ず無事に産まれる!
しっかり、手伝っておいで!」


力強い言葉を貰った



元気な産声が上がったのは、日暮れ



綺麗な夕焼け色に包まれて
とても綺麗な、尊い、感動の瞬間だった



佐代子は、涙を流し子と対面した



ふと、母を思い出した



双子を産む時、大変だったろうな




こんなに苦労して産んでくれたのかと








高島家の女中達に任せ、家に帰る




沖田さんに、感動した事と
母の事を話した






「会ってくればいいよ」






簡単に言ってくれた



「今さら、迷惑じゃないかな?」



「我が子が迷惑とか、ないでしょ」




迷いに迷っているのに





翌朝







「ご両親によろしくね~」





と、言われて


決心もしていないまま、家を出た





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