無敵の剣
それから、数日後



壱が、原田さんの訃報を報せに来た



私は、キョトンとする




沖田さんが、私の様子で空気を読む




「雪?何か知ってるんでしょう?
原田君、死んでないってことだよね?」


「え!? どういう事だ!?」




私は、ため息をついた




「壱、お前は喜怒哀楽が激しいから…
味方を騙すのに使われたんだ
原田さんは、京に戻った」


「……何で俺に言ってくれないんだよ!!」


「だから! 言えば、哀しまないだろう?」


「あははっ壱君、絶対ダメ!!!
ニヤッて笑いそう!!!」


掠れた声で沖田さんが笑う


ちゃんと騙されてくれたのはいいが
もしも、本当に原田さんが亡くなっていたとして、それを病床の沖田さんに報せに来る、この気遣いのなさには、呆れる




「壱君、実家には帰ったの?」


「はい! 驚いてましたよ!
一が、すっかり娘らしくなってたって
孫に会いたいらしいですよ!」


「らしいですよ」



沖田さんは、顔を赤くして


「何言ってんの!!2人して!!」



そっぽを向いた







その日を境に




沖田さんの体調は、悪くなった









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