無敵の剣
翌日


私は、浪士組が屯所にしている壬生へ


外で永倉さんに出会し
中に入ると庭で稽古をしている人々を横目に廊下を歩く


「やぁ!先日は、ありがとう!」


「山南さん、こんにち…」



挨拶の途中だったが


ダダダダダダダダダダーーーー





「斎藤君!!いらっしゃい!!!」





目をいつも以上に輝かせた沖田さんは
ニコニコしているが

追いかけて来た、土方さんの目は
全く笑っておらず
右手は、振り上げられていた

拳骨…


と、思ったが


土方さんを押し退けて



「浪士組にようこそ!局長の近藤勇だ!」



沖田さんがニコニコし続けていた理由を察した 

『近藤さんは、私の味方です!!』


そう言っていたから
助けられることも計算通りらしい



「お言葉に甘え、お邪魔しました」

バシンッ

「固いって!遊びに来てんだからよ!」


永倉さんに背中を叩かれる
  

「はぁ」


タタタタタッ

聞こえた足音で、庭に視線をやれば



「斎藤!!俺、藤堂平助!!!
よろしくな!!!」


沖田さんのように、ニコニコと笑う
少し、つり目というか

あぁ ネコに似てる

雪と出会った日のネコのようだ


「クスッ 斎藤一 よろしく」


「平助-!!! てめぇ!!!
稽古中だろうが!!!
置いて行くんじゃねぇ!!!」



庭よりも高い廊下に立っている私と目線が
同じ…

それに… なんて鍛え上げた体だ…

上半身裸の男をジロジロ見る



「こんな格好で、すまねえな
原田左之助 よろしくな!
おら!平助!!!稽古に戻るぞ!!!」



賑やかだ…



私が挨拶をする前に、皆が寄ってくる

ここでは、本当に有名なようだ



「斎藤 どうだ? 気に入ったか?」



この日、初めて声を掛けてきた土方さん

てっきり、屯所に入るなり、強引な勧誘に
合うことを覚悟していたから

帰ろうかなって頃に
ニヤリと笑うその顔を見て

正直、困った







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