無敵の剣
宿から借りた傘に2人で入り
宿の暖簾をくぐる


「いらっしゃい!おや?男同士なら一部屋でいいですね!
丁度、もう一組お客様がいらしたので!」

「あ、いや、こいつ…」

「構いませんよ」

「ありがとうございます!」




土方さんが私を女として見ていても
生憎、この宿の主人に男装の私を女だと言って
信じないだろう
それに、この雨で同じく足止めされた人が
他の宿に行くまでにずぶ濡れになっては可哀相だ



通された部屋で、土方さんに

「これ、沖田さんから土方さんへ」




預かっていた文を渡した




そして、刀を土方さんの前に置き、頭を下げた



「沖田総司を新選組に」



カサカサと文を開く音がした



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