無敵の剣
新選組の頃からの仲間で集まり
夕餉を食べていたとき


「ところで…どうやって助かったんだ?」

一は、一瞬目をそらす


「えと、寒くて あと、泳ぐの自信なくて
その…」


歯切れの悪い一の言葉に皆が注目


「戸板を浮かせて海流に乗ったら
皆がいる方と違うとこに向かってしまって… すごく流されて
たまたま海岸についたら小屋があって
雨宿りのつもりが、ちょっと寝込んで
小屋の持ち主が医者に診せてくれたら
懐妊してたというわけです」


「前から思ってたけど、運がいいよな」


そうかなぁと首を捻る


「ところで、副長と祝言しねぇの?」


「それは、さすがに」


息抜きだと
宴が披かれた



全員に一が女子で、土方の子を宿しているのだと伝えられ、祝福された



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