無敵の剣
土方さんの部屋に幹部が集まり

私の入隊が正式に認められた


「副長助勤だ いいな」


「はい」


「荷物運ぶ手伝いがいるか?」


「いえ、荷物はそれほどないんですが…
ネコを飼ってて…」


「わぁ!!ネコ!!連れて来てよ!!」


「連れて来い 世話は、しろよ」


「はい」





一度、家に帰り
荷物とネコを抱え、近所に挨拶をした




「一ちゃん! 怪我せんようにね!」


「はい」


「時々、顔出してや」


「はい」



「ええこにするんやで」



「にやぁーん」






江戸を出る時、私には刀しかなかった
見送り、心配してくれる人もなかった

少し増えた荷物と雪の形見のネコ




私は、雪の願いを叶える為
新選組へ入隊した





「にゃあ」


「かわいい~ 名前は?」


「……ネコ」


「斎藤君らしい ぷぷっ」



私がつけた名ではない

雪が猫にネコと名づけたんだ



「斎藤 来い」



土方さんに呼ばれた



「ネコ 良い子にしてろ」



沖田さんに噛みついたりするなよ
斬られるぞ…



「にやん」



「嘘くさい返事するな」



「ぷふふっ 斎藤君って無口なのに
ネコには、話し掛けるんだね!?」



ネコにしか話しかけないふうに
言わないで欲しい



「私と良い子に待ちますよねぇ~」


「にゃあーーーーん」


「私も話し掛けてみました!!」



なんて、童心に溢れているんだ


すっかりネコと仲良しなので
安心して、土方さんのところへ







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