無敵の剣
内面の強さを鍛え直す必要がある


熱が下がるとすぐに、庭で素振りをする

雪は、私の素振りの音だけで
悩んでいる事がわかった


なんだろう…

何を感じるんだろう…



















とある昼下がり






新選組へ来客があった


私は、庭で剣術の指南役を任されていた


庭から客人へ、頭を下げる










客人が帰り、幹部が集められた







「市中見廻り役を仰せつかった」







皆が歓喜の声を上げた





幹部会議が終わり、試衛館の幹部が
喜びを分かち合う為に残っていた



「斎藤 今日、会津からの使者が
お前を知っていたぞ」


「……」


私は、あの人を見たことがない



「会津公に仕えてたんだな」


「……」



何も言葉を発せられなかった


江戸を出た日の事が頭をよぎる



〝それは、私じゃない〟



そう言っても、誰も信じない


だって…



皆と過ごした日は浅く


自分を知って貰うどころか


皆の事だって、知らない














「もう!土方さん!!
内密な仕事してたんだよ!!
ね!?大丈夫!!私達、言わないから!」



「……」



「別に、見られてんだから
内密じゃねぇだろ! な!?」


「……」





壱が……


京にいる


会津公の元で働いている





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