無敵の剣
とある非番



「斎藤!!頼む!!ついてきてくれよ!!」


共に非番である原田さんが朝から五月蠅い



「行かない」




このやり取りを何度したか

なぜ、私なのだ







原田さんは、一見チャラチャラした
遊び人に見える

気さくで、誰にでも優しく
しかも、男前だから

モテるだろう、遊んでいるだろう


という印象が強い



実際は、真面目で一途で…臆病だ

惚れた女に求婚するのに
私に立会人を頼んでくるのだから



「土方さんに頼んだらいい」


「あんなモテる男連れて行ったら
俺の株が下がるだろう!!」


ふーん、私なら下がらないわけ?


ジトッと、睨む


「いや、おめぇも男前だぞ!?
綺麗な顔してる!!うん!
なぁ~ 頼むって~」



仲良しの永倉さんでもなく

なぜ、私なのか



「原田さん」


「なんだ」


「皆で行こう!」


「は?」


「よし!そうしよう!」


「は?斎藤?なんで?」


「巡察の刻をずらせば、いい
土方さんに頼もう!」


「え!え?えええええええ!!!」



聞こえない!

原田さんの叫びをさらりと聞き流し
土方さんの部屋へ



事情を説明すると



「クククッ はははははっ
おめぇ 意地悪だな」


土方さんや沖田さんほどではない



「私が力になれるとは、思えなくて」






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