無敵の剣
「俺は、おめぇが適任だと思うぜ」


「……」


「行って来い」




腑に落ちない



部屋に戻ると原田さんが崩れたままだった



「原田さん」


「うぅ……なんだ」


「行きますよ」


「本当か!? やったぁ!!!
斎藤!!恩に着る!!!心強え!!!」



身なりを整え、いざ屯所を出る




「江戸を出た時はよぉ
仲間と命懸けの仕事をするんだ!って
所帯を持つ事は、考えなかった
おまさに惚れてから、家族になることを
考えたら… 必ず帰らないといけない
そう考えて… 待っている人がいるってのも、悪くねえなって」




了承得る前提なんだ…
これだけ前向きなのに
ついてきてくれって…



「斎藤!上手く行くように祈ってくれよ!」



祈るだけでいいなら、楽なものだ















「左之助さんの事は、好きやけど…
結婚は、出来しまへん」




おまさは、求婚を断った




「おまさ!!俺は、おまさを泣かせるようなことはしねぇ!!」


「………」


「一緒になってくれ!大事にする!!!」




おまさが不安なのもわかる
原田さんは、面倒見が良い
責任感も強い


戦になれば、平隊士を守る為に
殿軍を買って出るだろう



「でも……」



祈るだけでいい



そう言われた










< 69 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop