無敵の剣
障子紙を買い、深雪の家に行くと

深雪が驚いた



「斎藤さん!?どうしたの?」


「明日、巡察の後そのまま寄るから
障子紙置きに来た」


「ふふっ おおきに」


「明日まで、隙間風入らないようにしろ」


「はい」


「あと…具合悪いとか、以外でも
何でもちゃんと言ってくれ
私は、出来る限り力になる」


「うふふっ はい」


「じゃあ… また、明日」


「はい! また、明日!」




どう考えても、深雪の気持ちには
応えられない

だからと言って、突き放すことも
私には、出来ない


中途半端な優しさでも


それが、深雪を喜ばせるなら


私は、優しくしてあげよう



深雪にとって、最後の恋だろうから







「やっと、その気になりやがったか」




土方さんがニヤニヤと冷やかす



「そういうことでは、ありませんけど」



「まあまあ! 謙遜すんな!
いい女だと思うぞ?」



「私にその気は、ありません
ただ… 好意を持ってくれる事には
嬉しく思うから
私が出来ることをしてあげたいだけ」



「お前… 恋したことねえだろ」


「…はい」


「傷つけんなよ」


「わかってます」


肩をポンと叩かれた


土方さんなら、違うやり方をするのかな



私には、そういった経験がなさ過ぎて…














< 79 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop