無敵の剣
「ちょっと、散歩してくる
飲み過ぎるなよ」


「私も…」


「ネコ達を頼む」


「ええ…」



深雪を置いて、再び歩く


うーん と、背伸びをして

桜の下を見る



花びらで桃色になった地面に微笑む




雪の好きな着物の色もこの色だったな






「斎藤君!また一人になると
皆がというか、山崎さんが泣くよ?」


沖田さんが、ひょこっと追いかけて来た



「散歩している」


「なら、私も!」


「1年になります
彼女が亡くなったのも桜が満開を迎えた
この時期で…」


「恋仲じゃなかったんでしょ?」


「ええ」



沖田さんは、ちゃんと空気を読む



深雪の事も、私に気が無いことを理解して
くっつけようとはしない



「幸せですね
亡くなった今も、斎藤君の中に
彼女は、生きているようです!」




私は、立ち止まった











「どうしたの?」


沖田さんは、凄い






「彼女が私の中に生きているといいなって
考えてたから… 嬉しくて」


「ふふっ 私、そういうの感じるんです!」


「え?」


「陰陽道を学ぼうかなぁ~」


「冗談でした?」


「本当だよ! わかるんだ!
あ、悩みがあるのかな? とか
困ってる?とか
それが、何についてかなって
うーん、上手く言えなぁーい!」




沖田さんには、気をつけよう


しみじみと思った





















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