無敵の剣
沖田さんだけは、私の空気を感じとる




スッ





深雪の目の前に刀を出す




「ッ!!! 斎藤さん…」



「これ以上、余計な口をきくな」


「でも!!!」


「私に、お前を斬らせるな…」


「斎藤さん…」


「斎藤君! 深雪さんは、近藤さんの妾!
刀を向けるなんて、失礼ですよ!
さぁ!仕舞って下さい!
深雪さん! 斎藤君の為を思うなら
貴方は、見て見ぬ振りをするべきです」


「沖田さんのようにですか?
斎藤さんが… 傷つくのを…
黙って見てろと言うの!?」



沖田さんの説得も駄目か……



私は、刀を仕舞い



土方さんを見る




全く動じていない





「深雪 家まで送る」


「私!まだ言いたいことがあるんや!!」


「私に斬られたいのか?」


今度は、本当に殺気を出し睨む



「……」






深雪は、ポロポロと泣き始めた





「新選組に出入りする女が、簡単に
あれこれ口にするな
それと…… 
近藤さんの妾という立場は、忘れるな」




深雪の背中を押した




すぐそこの家が、やけに遠く感じた







深雪の家につく



「深雪…… 
私は、もともと皆と距離がある
疑われても仕方ないんだ
何も、話していないから…
信じてくれてありがとう
私の為に、怒ってくれて嬉しかった
だが、それで深雪の立場が悪くなるのは
私にとっても困ることだ
深雪といると楽しいから」



「斎藤さん/////
出過ぎた真似をして、申し訳ありません」



「おやすみ」



「おやすみなさい」







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