無敵の剣
皆がいる広間ではなく、自室へ帰る


「にゃあ」


ネコが鳴くのと同時に

山崎さんが降りてくる



「大丈夫かいな?」



山崎さんに微笑む



「ええ」


「ほな、飲み直さへん?」


「明日、捕り物になるやもしれませんから」


「せやから、飲むねん
最後かもしれへんやろ」


「山崎さん… やっぱり…
大丈夫じゃないです」


「斎藤…」


「ということで、寝ます!おやすみなさい」


「へ?え… なんやねん…」 





山崎さんを追い出して
布団を敷くとすぐに灯りを消して潜る



 


試衛館の皆が言う『仲間』と
私の今の立場は、少し違う





私の事は、回し者だと思ってくれたのに
ミツは、敵とみなされた



それは、私が普段から皆に信用されていないから



ミツの旅籠と同じだ



私が思っているより
もっと浅い関係だ


自分でそうしているくせに
今日は、虚しい








私がここを去ること


案外、皆もそれを期待していたりして…






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