妹幽霊 兄と過ごした七日間
「詩月……寒い……離れて」
「わー!! ご、ごめんっ!!」
慌てて離れると、お兄ちゃんはその場に膝をついた。
「どうして? 何? え、どうしてそうなってるの!?」
救急車? 理由が話せない!
消防? それは関係ない!
警察? だから説明無理だし!
わたしは何をするべきか頭をフル回転させるも、解決策が見つからない。
歩き回って何かないかヒントを探す。すると、お兄ちゃんが急に笑い出した。
「え、え。今度は何!?」
「詩月だ」
「え?」
「ウザイくらいにうるさい詩月。オレの妹に間違いない」
「ウザイって何よ?」
「ははっ」
「笑うなーっ!」
せっかくの再会やり直しバージョンが台無しだよ。何でそう、いつもムード壊すのかな。
「お兄ちゃんのバカ」
口を尖らせてみると、お兄ちゃんはまだ笑っていた。