妹幽霊 兄と過ごした七日間


「お兄――――」



 いい加減に笑うのはやめろと言いかけて、わたしのお腹が盛大な音を鳴らした。



「ふあ!?」

「は?」

「ごめん」

「幽霊って腹が減るシステムなのかよ!」

「システムって何よ」

「飯とか食えるわけ?」

「さ、さあ」

「そういう大事なこと、聞いてこいよな!」

「うーん」



 それは説明不足の閻魔様や黒猫天使が悪いんだと思う。でも、聞かなかったわたしが悪いのかな。


 幽霊って透けてて、触れなくて、食べたり飲んだりはもちろん出来ないし、服も着替えられない。
 そういう認識でいたけど、わたしは少し特殊な状態だって黒猫天使さんが言っていた。


 つまり、お腹がすくってのはそういうこと?


 中学のセーラー服姿でいるけど、それは着替えられないんだろうな。ジャージじゃなくてよかったって本気で思う。


 髪型はショートヘアのままだったんだけど、かなりお願いして肩まで伸ばしてもらったんだ。お兄ちゃんに久しぶりに会うんだもん。少しはオシャレしたかった。


 とにかく、わたしはちょっと特殊な幽霊らしい。

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