妹幽霊 兄と過ごした七日間
「詩月」
わたしが考え込んでいると、お兄ちゃんが仏壇からメロンパンを投げた。それをキャッチして、わたしは感動してしまった。
触れる。生きている時と同じだ。パンの柔らかさもあるし、手を動かすと袋が音をたててる。
「取れたよ!」
「じゃあ、食ってみろよ」
「うん」
袋を開けて食べてみる。ちゃんとメロンパンの匂いもある。
恐る恐る口に入れてみる。
食べられた。美味しい!
「お前、相変わらず変な食べ方するんだな」
「ん? 変?」
「メロンパンの山の部分から食べてる。というか、かぶりつき?」
「ここのお砂糖の部分を先に食べたいの!」
「割ってから食べろよ」
「こうやって食べたいの! ほっといてよ!!」
メロンパンを食べることも久しぶり。
ずっと病院食ばかりだったから、メロンパンなんて最後に食べたのいつだったかな。