妹幽霊 兄と過ごした七日間


 ずっとお兄ちゃんと話をして過ごすまったりした時間。


 今こんなドラマが始まったとか、
 わたしが好きだった漫画が映画になったとか、
 面白いゲームが発売になったとか、
 お隣さんが最近飼い始めた犬とか、
 駅前に出来たカフェとか。

 とにかくいろんな話をして過ごした。


 病室にいる時も、お兄ちゃんはたくさん話をしてくれた。
 それがすごく嬉しくて、お兄ちゃんがお見舞いに来てくれるのをいつも待ってたんだよね。



「おーい、詩月」

「……ん、え? 何?」

「やっぱり聞いてなかった。もう夕飯だけど、どうすればいい?」



 そうだった。
 わたし、お兄ちゃんにしか見えない。だからみんなと一緒にご飯なんて出来ない。


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