妹幽霊 兄と過ごした七日間
「一週間だけ。オレ、変なことするかもしれない。言うかもしれない。だけど一週間だけ、見て見ぬふりをして欲しい」
一週間。
それはわたしのいる期間。お兄ちゃん、わたしと一緒に未練を探してくれるつもりなんだ。
「詩貴。理由は話せないのか?」
「ごめん、後でちゃんと話すから。もちろん法に触れるようなこととか、人に迷惑かけることはしないよ」
それを聞いたお父さんとお母さんは箸を止めて、顔を見合わせていた。
お兄ちゃんのよく分からない発言に、悩んでも仕方ないことだと思う。
なんか、わたしのために……。
すごく申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「わかった。いいだろう」
「あなた……」
お父さんがお箸を置く。真剣な目でお兄ちゃんを見てから優しく笑った。