妹幽霊 兄と過ごした七日間
「さあ、その話はここまでにしましょう。詩貴、一週間だけよ。約束だからね」
「わかってる」
お母さんが場を和ませるように言う。わたしは気づかれないようにそっと立ち上がる。
びっくりしたお兄ちゃんが振り返るけど、わたしは笑ってみせる。
「大丈夫。みんなの笑顔が見られて嬉しかったし。後でごはん、よろしくね」
そっと部屋を出ると、後ろでお兄ちゃんがごはんを要求する声が聞こえた。
さすがにびっくりしたお母さんの声。早速、変なことし出したって思われてる。
「ごめんね、お兄ちゃん」
ありがとう。わたしのために、色々してくれて嬉しい。だからわたしは、早く未練を見つけなきゃ。お兄ちゃんを解放して、前を向いて生きていけるようにしなきゃ。
お兄ちゃんを死なせはしない。絶対に。