妹幽霊 兄と過ごした七日間


 それからよくお見舞いに来てくれて、ウザかったな。
 わたしの知らない外の世界を話すから、悔しくて、切なくて、余計に嫌いになる。


 でも飽きずに、週に三回はお見舞いに来てくれたのは翼くんだけ。


 同じ中学の友達……と言えるかはわからないけれど、彼らは自分の意志で病室に入ろうとはしない。


 担任もそう。
 事務的な作業。わたしへのお見舞いは、そんな感じ。


 だから、わたしは翼くんに惹かれた。
 わたしを病気の人間じゃなくて、普通の女子中学生として見てくれたことが嬉しかった。


 友達はみんな離れていくばかり。引き止めることなんて、とても出来なかった。


 だけど翼くんは違った。
 自らそばに寄ってきてくれたことが、わたしの心を温かくしてくれた。

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