妹幽霊 兄と過ごした七日間
翼くんとデートをするために、わたしは頑張ろうって決めた。それなのに身体はどんどん悪くなっていって、約束の日は……。
「詩月……」
「デートの日にわたし、死んだの」
翼くんはどういう形でわたしの死を知ったのかな。
いつも家族に会わないように隠れながらお見舞いに来ていた恥ずかしがり屋。
なんで、わたしには普通に話していたのかな。
立ち止まったお兄ちゃんを置いて、わたしは歩き出す。
同じ中学生からの優しさ、想いを振り返ると泣きそうになってしまうから。
「詩月は、翼くんが好きだったのか?」
「好き。でも、これはライクの方の好き。恋愛とは違う」
デートしたとして、告白されたとして、わたしはそれを断ったんだと思う。中途半端に期待させて、なんて酷い女だって自分が嫌になる。