妹幽霊 兄と過ごした七日間
お兄ちゃんと本気デート
***
ものすごく高い建物。
剥き出しの鉄骨が、逆に恐怖を煽る。悲鳴が更にそれを助長させていて、でも楽しそう。
遊園地に来たのは人生で初めて。
どうせ公園を大きくしたような場所だろうと思っていたけど、全く違う。
「お兄ちゃん!」
「はしゃぎすぎだろ」
「どこから行く? どれがいい?」
少しだけ遠出して、遊園地に行こうとお兄ちゃんが言い出したのは今朝。
わたしの未練を探すという使命をとりあえず忘れて、普通に遊んでみてはどうかって言われた。
まだ三日目。もう三日目。
わたしはお兄ちゃんのわがままに付き合うことにした。
「お兄ちゃん、お金は大丈夫?」
「心配するな。春にバイトした分があるから」
それ、多分嘘だと思う。春に元気にバイトしている姿が、全く想像出来ない。