妹幽霊 兄と過ごした七日間
「奥から行くか。確かそっちに美味しいメロンパンがあったぞ」
「行く! 食べたい!!」
「とりあえずジェットコースター乗ってからな」
「妹の気持ちを振り回さないで」
歩き出したお兄ちゃんについて行く。
でも、急に立ち止まってわたしの手を握る。
「お兄ちゃん?」
「大丈夫。いい加減、寒くなったら離すけど」
「無理しなくていいのに」
「今日もデート気分で行こうか」
お兄ちゃんがわたしに笑いかける。
まだ寂しそうに笑ってるけど、少しずつお兄ちゃんらしくなってる気がする。
「じゃあ、詩貴って呼んで」
「お兄ちゃん。それ、こだわるよね」
「詩貴!」
「はいはい。ジェットコースター乗ってからね」
「詩月だってオレを振り回してるだろ」
「さあね」