妹幽霊 兄と過ごした七日間


 ――――


 忘れていた。そうかもしれない。
 浮かれていた。大当たり。


 わたしは幽霊である自覚がなかった。


 普通に食べたり飲んだり出来るし、何よりもお兄ちゃんと話が出来る。
 だから、ジェットコースターに乗るところで初めて気づいた。



『お前、どうやって乗るんだ?』

『は……』

『なあ、乗ったら落ちるんじゃ……』



 いやいや、まさかそんなことないだろうと無理やりジェットコースターに乗り込んだ。
 ベルトとか出来ないから、お兄ちゃんの膝に座って耐えていたんだけど。



『詩月、詩月!!』

『ぎゃあぁぁぁぁ!!』



 スピードについていけなかったわたしは、一番高い場所から落ちたのだった。

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