10歳の年の差はどうやって埋めますか?
正直そんな所まで考えた事はなかった。

10歳の年の差はお付き合いでいっぱいいっぱいだと思っていた私。

結婚となると、また話が変わってくる。

「ちょっと待って、松田さん。」

「私はいつまでたっても年下扱いですか?いつになったら対等に見てもらえるんですか?」

真剣な表情で私との距離を縮めてくる松田さん。

「だって松田さんこそ、私の前では、自分の事を“私”って言うじゃないですか。それは年上の私に対してだからですよね?だって寝言では…。」

私は思わず手で口を押える。

そうだ、あれは寝言ではなかったんだった。

「気づいていましたか?」

松田さんはそんな事は眼中にないような様子。

「じゃあ、私は…、俺はいつまで“松田さん”って呼ばれるんでしょうか?」

「それなら、私にどうしろというんですか?」

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