10歳の年の差はどうやって埋めますか?
二人とも声が大きくなって来た。

さすがに回りくどい松田さんの言い方に、私もムッとする。

「私は松田さんとお付き合いするって言ったじゃないですか。その先はこれからの事でしょう。」

「それだって、俺が悠希さんに無理やり言わせただけじゃないですか!」

「えっ?」

私は動きを止めた。

「俺の真剣な思いはちゃんと悠希さんに届いているか不安なんです!」

松田さんの表情から目が離せない。

「松田さん?」

私はオロオロし始めた。

「悠希さんの前ではお酒であんな醜態をさらして、会社の人には嫉妬する。俺、悠希さんの前でみっともない姿ばかり見せて…。」

何やら話が反れていっているような気がする。

「総一郎さんって呼べばいいのかしら?」

< 101 / 169 >

この作品をシェア

pagetop