10歳の年の差はどうやって埋めますか？

「長谷川と言います。私もしっかり佐野さんに…いえ、佐野課長補佐に鍛えられてきましたので、一緒に頑張りたいと思います。よろしくお願いします。」

ちゃっかりとした挨拶は長谷川さんらしい。

清水君…、清水課長は私達に席を案内してくれた。

私のデスクは一番奥の、当然清水課長の横。

長谷川さんの席は、入口近くの全員が必ず通るデスク。

「さあ、始めよう。」

清水課長の声が響いた。

ほとんどの監督さんが外へ出て行った。

「さて…、長谷川はまずそのデスクに置いてある書類の処理をよろしく。総務課でやっていた仕事だと思う。」

長谷川さんはチラリと書類を見ると、清水課長にうなずいて早速仕事を始めた。

「佐野、悪いが、これからの事を打ち合わせしたい。会議室へ来てくれるか？」

「了解です。清水“課長”。」

「佐野からそんな風に呼ばれるのは、くすぐったいな。」